📕夏目漱石・違国日記・Steel Ball Run

直近で読んでいた本と思い出したものについてメモ。

元々解説動画でながらで聞いていた👂のだけど、改めてちゃんと読みたいな、と思って青空文庫で読んでいた。

ざっくりな内容としては学習院大で講演を頼まれたので、漱石が自分の考え方について色々話す、という内容。

改めて読んで、講演の期日直前、っていうか話し始めるそのときまで何喋ろうか考え続けてていい感じのことが全然思い浮かばず、それこそ直近数日は現実逃避で絵を描いていた上にそれを話しちゃうところにフフっとなった。

講演のメインの内容の一つに、

比喩で申すと、私は多年の間懊悩した結果ようやく自分の鶴嘴（ツルハシ）をがちりと鉱脈に掘当てたような気がしたのです。

という箇所があって、今自分がこうして書いているのはこの鶴嘴を振る筋トレみたいなものなのかもしれない、と思った。

そして

が印象的だった。
当時だと日本に全くない概念だろうし、先駆者としてイギリスに渡ってる訳だから、異文化に遭遇した時のリアクションとしてそうなったのかもしれない。
時代と対象が違っても、自分も同じような状況に出会ったら漱石と同じように例外処理をしてしまうかもな、と思う。

あと

話も出てきていて、こういう話は令和でも変わらないな、、と思った。

元々途中まで読んでいて、連載が終了したと聞いて「あ〜これは読まねば」と思っていたところをようやく読めた。

連載中に途中まで読んでいた時に完結のニュースを聞いた時には「え、もう終わっちゃうの？」と思っていたけど、まとめて読んだ後だと変な引き伸ばしとかもなくちょうどいいタイミングで終わっているように感じた。

キャラクターの多様さとそれぞれの苦悩が的確に、それでいて読みやすい形で表現されているし、心象風景の表現の独特さもとてもよかった。

色々社会問題を取り扱っているところも多いので、 3年-5年-10年と経った後に、見え方がどう変わっているのかをまた振り返れたらなと思う。

これは上記２編を読んでいて思い出したメモということなのだけど、ジャイロの「オレだけがなじむ道」というセリフを思い出した。

いずれも漱石の言葉を借りるなら「自分本位」でいられる場所をどう見つけていくか、ということがテーマとして共通しているのかな、と思う。