幸田露伴が自然を愛する人で、それが娘である文を通して伝わってくるのが興味深かった。木を見たさに色々ワガママを通すところが面白い。早世した姉への嫉妬が自分のモチベーションなのかも、という話も興味深かった。 きっと紆余曲折あるんだろうけど、サラッと旅に出てる感で描かれているのも良い。

全部読めているわけじゃないけど印象に残ったエピソードを以下メモ。

藤: 幸田露伴が孫娘にお小遣いをあげて好きな植木を買ってきなさい、というシーンで藤を買おうとしたものの、値段に日和って山椒の木に変えたら露伴にめちゃくちゃ怒られてるエピソードが印象的だった。露伴的には孫の情緒を培う機会なんだしそのためにお小遣いあげてるんだから日和るんじゃない、という理屈。一方文は文で何でも損得勘定にするんじゃない、というのもわかる。 孫を巡って喧嘩になるのはどこの親子もあるあるだな、と思った。

檜: ダメなヒノキ材(アテ)がどんなものか、実演で見せてくれた様子の描写が興味深かった。板として切り出しても、その瞬間からたわんでしまって使い物にならない。 自分達が普段見ている木材🪵は洗練されたものだということを改めて思い起こされる。